ひきこもりの作法

一本、また一本…集めた後ろ指の数はアイドル級。悩み多き某ひきこもりによる孤軍奮闘の日々がここに。

ひきこもり不動録Vol.29「寝起き10分で決める一日の高品質化」

 

起動中の機械を下手に弄ると、故障したり動作に異常が出る恐れがあります。

 

まさに「人間の脳もこれと同じなのではないか?」という疑惑が出ました。

 

 

 

最悪な一日の始まり

すこぶる体調が悪く、久しぶりに希死念慮なんかも出てきてしまった数日前……。

 

その日の私は起床と同時にPCでインターネットの閲覧を始め、副業の成果やSNSの通知をつい確認してしまったのです。まだ意識の柔らかい、寝起きすぐであったにも関わらず。しかもあろうことか、そのままだらだらとネットサーフィンまでキメてしまい、悪事に隙がありません。

 

結局、その日は一日中体調が悪く、頭の重さに悩まされ続けることになりました。あんまり辛いので縋りつくように自然界に出かけて、風や日光に当たっていました。いつもならそれで多幸感に包まれて持ち直せますが、今回はなかなか効いてくれない……。それどころか「こんなにくだらない人生なんて……」とますます気分がイジケてきて、気になるものといえば狭い自室にある箱の中の「通知」や「成果」のことばかり。私はこの時、現実世界に居ながらにして仮想空間に囚われていました。

 

これは流石にマズいと焦り、即急に習慣の見直しを図りました。この感覚が続けば「死ぬ為にだけ外出をしていた」という最悪だったかつての状態にまで転落しかねないと思ったからです。そこで原因を特定すべく、習慣を一つ一つ洗った先で見えたきたものが、まさに起床後の過ごし方、厳密には「起床後10分間の、脳のセットアップ時間」にあったことを突き止めます。

 

脳の「起動時」を重視した徹底対策

起床後、色々な通知をPCで確認したくなる気持ちをグっと抑え、日の当たる窓辺に立ち、肌を撫でる日光の感触、その温かさによって寝ぼけ眼を覚ましてゆきます。外からは新鮮な空気が流れ込んできて、今日という一日の匂いを知らせてきます。今日という新しい日の独特の匂い、空の色、明るさ、風向き、空気の温度、湿度、雰囲気。それらに合わせて脳のシステムが順々に立ち上がり、今日という一日に最適なセットアップが行われていっているように感じました。この時点で既に、先日とはえらい違いです。

 

あの日の私は、現実世界ではなく"インターネット空間上"で目を覚ましていたのではないか? 認知上はあちらの世界で誕生していたので、現実世界で生きていることに寧ろ違和感を覚えて、辻褄合わせに死にたくなっていたのではないか? そんな風にも思えてきました。起動中の脳をデジタル機器で下手に弄り回さず、五感を開いて現実世界に正しく接続し、ゆっくりと立ち上げてみた日。終日好調であり、文字の読み書きがいつもよりスムーズだったことに加えて、憂鬱や希死念慮が頭を出すことも全くありませんでした。

 

むすび

そういうわけで、起床時の脳は下手に弄らずにゆっくりと起動させてあげる。現実世界へ向けて自然に五感を研ぎ澄まし、意識の誕生地点を正しく"コチラ側"へと設定する。根は土台にドッシリ張ってこそ精緻な枝葉も活きるというもの。これによって、デジタル機器や仮想空間の扱いまでいつもより上手になれました。

 

個人的に、ちょっと意識をしてみただけで一日が激変した習慣です。

 

何かピンと来られた方は、是非一度試されてみてください。